安心感と、絶妙にくすぐられる好奇心⚐cenci(神宮丸太町, 京都)
そういえば、このとき初めてバローロを飲みました。
ワインショップでバイトしていた時毎日眺めていたバローロ。いろんな生産者のバローロの味の違いが覚えられず、でも時々尋ねられるのでその都度自社のオンラインショップの商品説明をカンニングしていたバローロ。
実際飲んだみてら、思っていたより渋みが控えめで、でもブルゴーニュの赤ワインよりは厳つい感じ。熟成の賜物かな。
⃟ディナーコース (¥12,000)
⃟ワインペアリング (¥?)
チェンチは写真を見た瞬間に、絶対美味しいに違いない!と確信したのだけれど、それは保守的な私の食の好みにぴったり合っていた、ということでもある。
和洋折衷という感じではないのに、日本で馴染みの食材が沢山使われているし、
(海老芋、百合根)
(菊芋)
(鮎、茗荷)
トリュフやフォアグラを多用していないし、
(脂肪の刺激に勝てない胃とそれによるトラウマの為フォアグラが苦手です。でもコースの写真ではフォアグラをしょっちゅう見かけるので、きっと多用されているのでしょう。)
外見にも味にも素材そのものの存在感がしっかり残っているのに、プロだからこそできるに違いない色んな組み合わせで複雑さも楽しめるし。
(グラニースミス(りんご)と鰤と芋)
(鹿肉にピューレは牛蒡、濃いソースが山葡萄)
奇をてらっていないのに、これほどまで好奇心をくすぐられる、そういうところが、とにかく素敵でした。クラシック音楽でいうなら、後期古典派〜ロマン派のような。
だけど、自分が食べるのでなければ、前衛音楽のように奇をてらっている系もありだと思う。むしろ芸術家のようで好き。ただ、なにしろ音楽もせいぜいロマン派後期までで、ドビュッシーすら危ういほどの保守派な私の味覚と胃腸が、それを受容する能力を身につけるのはいつになるのか…。
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⚐cenci
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